フェアな振る舞いが顧客に信頼を根付かせる

家電量販店、行かれますか?
白物家電の店員さんの接客、どう思われますか?

頻度も回数もそれほど多くはないですが、
家電量販店、僕、けっこう好きなんです。
白物家電の店員さんの接客、僕、けっこう好きなんです。

知識も豊富で、こちらの話をよく聞いてくれて。
性能や機能でも価格の安さでもなく、僕の求める用途、使い方に合致する商品は何かを真剣に考えてくれて。
僕の求める用途、使い方に合致する商品が自分の店になければ、時には他店での購入を勧めてくれる店員さんもいたりするんです。
“安いものを買いたいな”(低価格)
“良いものを買いたいな”(高品質)
最初はそういう気持ちで行ったとしても、店員さんの話を聞いているうちに、“この人から買いたいな”と思ってしまうのが不思議です。

僕の家の近くの家電量販店。
売場面積はとにかく広く、2階建ての家電量販店。
その広い売場で、白物家電は奥の奥にあるんです。
それほど多くのお店を見て回ったわけではないですが、白物家電って店の奥にあることが多く、入って間もない売場では、スマホ類を置いてあることが多いように思います。
なんとなく覗いてみることもありますが、この売場は店員さんの圧が強くてちょっと苦手です……。

スマホって、キャリアは違っても端末は同じものが置いてあることが多いじゃないですか。
でも、キャリアごとに、“いかにウチは優れているか”“ウチに乗り換えてくれたらこんな特典がありますよ”っていうアピールがすごくて。
担当によっては、他のキャリアの弱点を取り上げるようなトークもあったりして……。

僕が家電量販を好きなのは、白物家電の店員さんを好きなのは、そういう押しの強い圧やアピールがないからなんですよね。
(たまたまそういう店員さんにしか巡りあってないからかもしれませんが)

僕は商売柄、人材サービスの企業さんとの接点が多く。
直接メーカーさんと話をするより、代理店さんにお声がけすることが多いんです。
というか、意図的に代理店さんと話をするようにしています。
メーカーさんという表現は聞きなれないかもしれませんね。
要は、求人広告サービスやスカウトサービスを自社で展開している企業を言います。
自社でサービスを展開しているメーカーの営業さんは、(僕だけかもしれませんが)“他社より自社がどれだけ優れているか”のアピールの圧が多いように感じることが多い気がしていまして……。

代理店さんの場合、複数の、いろいろなサービスを取り扱っていることもあり、機能面や価格面はもちろん、僕の求める用途や成果に結びつきそうなサービスが何かを真剣に考えてくれて。

僕の求める用途や成果に結びつきそうなサービスを自社で取り扱ってなければ、時には他の代理店を紹介してくれる営業さんもいたりするんです。
“安いものがいいな”(低価格)
“良いものがいいな”(高機能)
もちろんそういうことがあることに越したことはありませんが、営業さんの話を聞いているうちに、“この人から買いたいな”と思ってしまうのが不思議です。

ビジネスパーソンなら誰しも、売上目標を背負っている人なら誰しも、自社の商品やサービスを顧客に買ってもらいたいと思うのは当然のこと。
時には強めに、時には下手に出ながら、何とか自社の商品やサービスを購入・契約してもらおうと努力するのは当然のこと。
強めに出ようが下手に出ようが、その時にお客さんに買ってもらえれば売上になります。
短期的には売上にあります。
ただ、そのお客さんがまた買ってくれるかどうか。
将来の顧客になりえるかどうか。

短期的な売上のためにお客さんと向き合うか。
長期的な信頼関係、つまりその先の売上のためにお客さんと向き合うか。

これはその人の考え方であり、その企業の考え方でもあります。
短期的な売上を目指すなら、“安いものがいいな(低価格)”“良いものがいいな(高機能)”といった商品やサービスが有する要素で勝負することになります。
でも、長期的な信頼関係、売上を求めるなら、“この人から買いたいな”と思ってもらうような言動、行動、立ち居振る舞いが、仲間に求められるように思います。

僕も社会人生活25年になりますが、“この人から買いたいな”と思った人は片手で足ります。
人材サービスを提供している企業でいえば50社以上、そこで出会ったビジネスパーソンは200人以上になるでしょうか。

“片手で足りる”と言いましたが、割合でいえば、2.5%。
そんなものなのかもしれません。

とはいえ、いったん“この人から買いたい”と認識してしまうと、その関係はず~っと続きますね。
ご本人からは名前を出す許可を一切頂いていませんが、一人、事例を挙げたいと思います。

今は株式会社コーナーという会社で代表をされている門馬貴裕社長。
人事領域でのパラレルワーカーシェアリングサービスを運営されていますが、出会ったのは約20年前。門馬さんは当時、とある人材サービスの法人営業担当でした。

細かい内容は省きますが(名前を出す許可をいただいていないので)、当時から“この人から買いたい”と思える営業スタイルを貫く、弟分のような存在でした。
弟分というとずいぶん上からですが、今では何かあると相談させていただいています。
こういう人とのつながりを今でも継続させていただいているのは、僕にとっても財産です。

だからこそ、お付き合い先では、「“この人から買いたい”と思えるような指導、支援、研修をしましょう」とご提案させていただくようにしています。
(なかなか受け入れてはいただけませんが……)

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