『リファラル採用』という言葉を耳にするようになりました。
『リファラル採用』を取り入れる会社も増えてきました。
上手くいっている会社もあれば、そうじゃない会社もあるようです。
ちなみに、僕は横文字が苦手でして……。
ここでは『社員紹介採用』と呼ばせていただきます。
僕も仕事柄、
「社員紹介のお祝い金っていくらぐらいが適切ですか?」
「紹介してくれた社員にも報奨金を出すべきですか?」
「入社した社員が3か月で辞めたんですけど……」
といった相談を頂くことがあります。
その際、僕は、
「そうですねぇ……」
と答えるようにしています。
どんな会社に聞かれても。
「そうですねぇ……」
と答えを濁しています。
ご相談いただく会社の多くは、
「どうやれば社員紹介採用が上手くいくか?」
という前提に立っているようです。
でも僕の中では、
「そもそも社員紹介採用が上手くいく会社か?」
という前提を議論する必要があると思っています。
そもそも、
「ウチの会社でも社員紹介採用を始めるよ」
と会社が宣言したら、
会社の仲間はどんな反応を示すんでしょう?
“お、待ってました!”
と反応する会社もあれば、
“っていうか、紹介なんてしないし……”
と反応する会社と思います。
この反応の違い。
社員満足度と関係があると思っています。
社員満足度が高い会社であれば、
“お、待ってました!”
という反応になるでしょうし、
社員満足度が低い会社であれば、
“っていうか、紹介なんてしないし……”
という反応になるのです。
社員満足度が高い会社の仲間は、
「ウチの会社に来てみない? いい会社だよ」
と知り合いに声をかけるでしょう。
晴れて入社し、働き始めた新たな仲間は、
「確かにいい会社だね。ありがとう」
と、紹介してくれた仲間に声をかけるでしょう。
しかし、社員満足度が低い会社の仲間は、
“知り合いに声をかけるなんて心が痛むよ……”
と、知り合いとの関係を壊したくない、
そんな気持ちが強いはずです。
「社員がなかなか紹介してくれないんですよ」
そう僕に話をしてくれるトップの方もいますが、
「そうですか……。難しいですね……」
と答えるしかありません。
「社員満足度、どんな感じですか?」
そんなことは勇気がないので言えません。
中国古典の『論語』に、こんな一節があります。
(子路 第十三)
『葉公問政。子曰、近者説、遠者来。』
「葉公 政(まつりごと)を問う。子曰く、近き者説(よろこ)び、遠き者来たる、と」
“政治とは何か?”と聞かれ、
「近くに住んでいる者たちが喜び、(善政という評判にあこがれ)遠くに住んでいる者が移り住んでくるような政治です」と孔子は答えたと言われています。
ずいぶん前に読んだのですが、
“採用も一緒かも”
そう思いました。
社員紹介採用に限らず。
新た仲間を迎え入れることを考え始めたら、採用手法の前に考えないといけないことがあるように思います。
“大丈夫かも”
そう思えるのであれば、
高いお金をかけて媒体に出すとか、
高いお金をかけて紹介会社を使うとか、
そういうことをする前の前に、
まずは社員紹介採用からスタート。
僕はそう考えています。